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EBSというメーカー自体はあまり有名ではないですが、このMULTICOMPはベーシストの大定番で最近使用している人が激増しているような気がします。定番とはいえかなり高い(定価2万・中古とかも大人気で全く安くならない)のでいままで踏みきれません でしたが、コンプ馬鹿の自分としては、いつかは通らなくてはならない道だろう(笑)ということで購入しました。去年の話ですが。某ヤフオクで16000円でした。 このコンプもコントロール系はシンプルで、コンプツマミとゲインツマミ、モード切替スイッチ、あとアクティブ/パッシブの入力切替スイッチのみです。なにしろツマミは二つのみなので、入手する前は「細かい設定ができないのはどうなんだろう?」と思ってましたが、結論から言って「つなげただけで音が良くなる!」というかんじでした。勿論個人の好みもありますが、音についてはモード切替によってかなり変わるので、モードによる出音に違いを色々試してみました。 まずノーマルモードは文字通り普通のコンプらしき圧縮具合で、かなりきつめに圧縮されます。音のヌケはいい方ですが、低音重視派の人にはきつすぎる、と感じられるでしょう。スラップ派の人にちょうどよさげなかんじです。まあ有名な話ですが、「マーカス・ミラーが使ってるんですよ」と言われて納得するような。しかし逆に言うとロックバンドでは合わないわけで、そんな場合にはチューブシミュレーション・モードというモードがぴったりなわけです。 このモードにすると、コンプのかかりが弱めになって、なおかつ音全体に真空管アンプを通したようなサチュレーション(歪みというほどではなくハリのある音のような)がかかり、ロックバンドのサウンドの中ではまさにドンズバ!という「ゴロゴロ」とした音になります。低音の太さはコンパクトタイプのコンプでは一番でないでしょうか。このコンプのレビューはネット上に数多いのであえて紹介しませんが、やはりチューブシミュレーション・モードをおすすめしている人が非常に多いです。 で、最後のマルチバンド・モードというモードは何かというと、低音部と高音部のコンプのかかり具合をボディ内部のツマミで設定できるというモードです。これはボディのネジを外して基盤についている非常に小さいツマミを極小のマイナスドライバーで回さないといけないので演奏しながら設定するのは不可能ですが、試しに低音部コンプのスレッショルドをかなり高めにしたところ、ノーマルモードとチューブシミュレーション・モードの中間的な音になってかなり使えます。自分はチューブシミュレーション・モードでは少し暴れすぎかな?と思った時(Stingray5の時とか)にマルチバンド・モードにしています。 全体的な音の傾向としては、これまた色々な人が書いているんですが、「SWRのアンプを通したゴロゴロッとしたかんじ」があります。ゲインはメチャクチャ上がりますが、ゲインを上げていっても爽やか(?)な音のままで鳴ってくれるところもポイント高いでしょう。あとは使用楽器によってかなりトーンが変わるような気がします。また決してビンテージ系の音ではないので、MXR系の音とかを極めたい人には向かないでしょう。初代モデルは電源アダプター使用時にノイズがひどくなる、と言われましたが現行モデルは全然問題ありません。 まあこんなかんじで見た目は超地味ですが、アンプに通した時の音はさすが!の一言でした。ただし少し気になるのがラインでレコーディングに使った時、音が非常につまっている印象があって(セッティングのせいかもしれないけれど)結局録音はBass Compactorを使ってしまいました。CDにした時の聴こえ具合はBass Compactorの方が良いような気がします。
by hfjtoday
| 2005-03-09 17:59
| Bass
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